2023年04月26日
4月26日(水)の日記 東北歴史博物館にゆく
東北歴史博物館へ 2023.04.26
◇終日雨降り、鳥見にはゆけず。午後から久しぶりに博物館へ。東北歴史博物館に鑑真和上像がきているというので出かけた。
◇東日本大震災復興祈念「悠久の絆、奈良・東北のみほとけ」展、と銘打った特別展。唐招提寺の鑑真和上像は、その昔唐招提寺に行った時はみれなかった覚えがある。井上靖の小説「天平の甍」や映画、そして会津八一の歌<おほてらのまろきはしらのつきかげをつちにふみつつものをこそおもへ>でも知られた唐招提寺には金堂と講堂があって多くの国宝の仏像があった。さらに今は収蔵館みたいなものがあるようだ。
◇国宝鑑真和上の座像は御影堂にあって特別公開時のみ拝観できるとあるので、現地でもなかなか見れないわけで、今回仙台で拝観できるというのは絶好のチャンスである。
◇唐招提寺を作った鑑真和上は、5度の失敗を越えて唐から招かれ、正式な僧侶になるための誓い「戒律」をもたらした。754年に日本に来た鑑真和上が、759年に朝廷から土地を賜り開いたのが唐招提寺で、763年に亡くなるまでこの寺で過ごした。この像は鑑真の弟子の忍基が、死期がせまった恩師の姿を残そうと力を込めて作らせたといわれる。
◇像は国宝。脱活乾漆(だっかつかんしつ)、彩色、高さ80.1cm。等身大に忠実に姿が再現されている。まゆげ、まつげ、ひげも細かく描かれている。中には白髪のひげまで表現されている。袈裟には鮮やかな模様、これは古ぎれを縫い合わせた「糞掃衣」の表現。細部まで克明に作られている。鑑真和上坐像は日本最古の肖像彫刻であり、天平時代を代表する彫刻である。肖像彫刻として最高峰といわれている。鑑真和上の不屈の精神まで感じさせる傑作である。
◇脱活乾漆は粘土の塑像の上に麻布を漆で貼り合わせ整形を施す製法で、粘土は乾燥後あとで取り除くので内部は空洞となる。手の部分のみは彫刻した木製である。今も鮮やかな彩色が残っている。ところがひざの衣のひだはボコボコしてなぜか表面が荒い。それは表面をヘラでととのえるプロの仕事ではなく弟子たちが鑑真にさわる感覚で指で作ったからと考えられている。鑑真の姿をとどめたいという強い思いがうかがえる。
◇博物館の展示には、鑑真和上像以外に多くの仏像、中には国宝も結構な数あったが美術品として鑑賞するといまいちと感じるものばかり。以前に仙台で鑑賞した室生寺の仏像ほどのレベルではないと勝手に思った。
◇むしろ、土門拳の写真「室生寺弥勒堂釈迦如来坐像左半面相」に実物以上の美しさを感じた。
◇終日雨降り、鳥見にはゆけず。午後から久しぶりに博物館へ。東北歴史博物館に鑑真和上像がきているというので出かけた。
◇東日本大震災復興祈念「悠久の絆、奈良・東北のみほとけ」展、と銘打った特別展。唐招提寺の鑑真和上像は、その昔唐招提寺に行った時はみれなかった覚えがある。井上靖の小説「天平の甍」や映画、そして会津八一の歌<おほてらのまろきはしらのつきかげをつちにふみつつものをこそおもへ>でも知られた唐招提寺には金堂と講堂があって多くの国宝の仏像があった。さらに今は収蔵館みたいなものがあるようだ。
◇国宝鑑真和上の座像は御影堂にあって特別公開時のみ拝観できるとあるので、現地でもなかなか見れないわけで、今回仙台で拝観できるというのは絶好のチャンスである。
◇唐招提寺を作った鑑真和上は、5度の失敗を越えて唐から招かれ、正式な僧侶になるための誓い「戒律」をもたらした。754年に日本に来た鑑真和上が、759年に朝廷から土地を賜り開いたのが唐招提寺で、763年に亡くなるまでこの寺で過ごした。この像は鑑真の弟子の忍基が、死期がせまった恩師の姿を残そうと力を込めて作らせたといわれる。
◇像は国宝。脱活乾漆(だっかつかんしつ)、彩色、高さ80.1cm。等身大に忠実に姿が再現されている。まゆげ、まつげ、ひげも細かく描かれている。中には白髪のひげまで表現されている。袈裟には鮮やかな模様、これは古ぎれを縫い合わせた「糞掃衣」の表現。細部まで克明に作られている。鑑真和上坐像は日本最古の肖像彫刻であり、天平時代を代表する彫刻である。肖像彫刻として最高峰といわれている。鑑真和上の不屈の精神まで感じさせる傑作である。
◇脱活乾漆は粘土の塑像の上に麻布を漆で貼り合わせ整形を施す製法で、粘土は乾燥後あとで取り除くので内部は空洞となる。手の部分のみは彫刻した木製である。今も鮮やかな彩色が残っている。ところがひざの衣のひだはボコボコしてなぜか表面が荒い。それは表面をヘラでととのえるプロの仕事ではなく弟子たちが鑑真にさわる感覚で指で作ったからと考えられている。鑑真の姿をとどめたいという強い思いがうかがえる。
◇博物館の展示には、鑑真和上像以外に多くの仏像、中には国宝も結構な数あったが美術品として鑑賞するといまいちと感じるものばかり。以前に仙台で鑑賞した室生寺の仏像ほどのレベルではないと勝手に思った。
◇むしろ、土門拳の写真「室生寺弥勒堂釈迦如来坐像左半面相」に実物以上の美しさを感じた。
Posted by OOAKAGERA at
20:48