2021年09月03日
9月3日(金)の鳥見 今週の振り返りはなし 空白の鳥見記録(雑文)
この1週間は鳥見に行けていない。個人的な事情で外出がままならない。ストレスはたまる一方。
今週の鳥見報告はなしである。週末の鳥見の参考になればと毎週金曜日にアップしている1週間の鳥見報告はありません。
というわけで、いつもの手抜き「復刻」で雑文を掲載です。
【復刻】 空白の鳥合せ表 2019.08.22
◇ノンフィクション作家柳田邦夫の初期の作品として「空白の天気図」がある。
◇1945年8月6日、広島に原爆が投下され、20数万人以上の命が一瞬で奪われた。そして8月15日、日本は終戦を迎えた。しかし、1ヶ月後の9月17日、広島はさらなる災害に見舞われた。 枕崎台風の上陸である。枕崎台風による死者行方不明者数は全国の中で広島県が突出して多かった。
◇原爆被害の陰に隠れて、歴史から見えなくなっていた広島の枕崎台風の被害に焦点を当て、広島地方気象台の台員たちを主人公とし、原爆と台風、ふたつの災害を観察し続けた彼らの足跡を追いかけた傑作ドキュメンタリー作品が「空白の天気図」である。
◇広島県で枕崎台風の被害が大きかった原因として、8月6日の原爆で倒壊した直後で防災機関のインフラが機能していなかったためと言われている。多くの人々が、原爆・敗戦の混乱の中、台風が接近していることを全く知らずに災害に巻き込まれてしまったものと思われる。
◇表題の「空白の天気図」は、現地のデータが中央気象台に伝わらず天気図に空白生じたということのようだが、本文によると「欠測」と言って、観測が実施されない(出来ない)こともあり、これで「空白の天気図」になることもあるようだ。
◇作品の内容の迫力に圧倒されるとともに、記録の大切さや台員の一つ一つの現場での使命感に心を打たれた。気象データは欠測してならないとの観測精神。その愚直なまでの姿勢と努力が、後年、終戦前後の気象データの空白をカバーした貴重な貢献があったに違いない。
◇ひるがえって、鳥の観測データも「欠測」は望ましくない。定点観測であればほそぼそとでも継続することに大きな意味がある。
◇気象データの欠測は場合によっては住民の安全に直結する問題となる。しかし、鳥の観察記録は直接人の生命にかかわることは少ないと思う。まして、厳密な定点観測でもなければ「欠測」は許されると思う(そんな記録なら「欠測」ということ自体おこがましいかも)。
<追伸>
◇戦後、アメリカの駐留下で大きな台風が日本を襲った。これらの台風には米国の女性名がつけられた。上記「枕崎台風」は戦後であったがまだ連合国司令部から矢継ぎ早の指令が発せられるより前の時期で日本語名がつけられたものと思われる。
◇戦後東北地方に来襲し大きな被害が出た英名台風として、昭和22年のカスリーン台風、昭和23年のアイオン台風がある。東北地方では特にアイオン台風の被害は甚大であった。北上川の水位表示看板でアイオン台風時の水位をみたことがあるがとんでもなく高かった覚えがある。七北田川水系でも氾濫、堤防決壊、橋梁流出などがあった、支流である地元梅田川でも越流・浸水が発生したと聞いた。
脱線ついでに以下は梅田川についての雑文(復刻)
【復刻】 2019年11月15日(金)の日記 梅田川下流域、最近の状況
◇梅田川(うめだがわ)は、宮城県仙台市青葉区中部から宮城野区中部を流れる七北田川水系の二級河川である。仙台市青葉区の中山地区に源を発し、宮城野区鶴巻地区にて七北田川に合流する。総延長10.3km、流路はすべて仙台市内にある。昭和30年代までは下水が流れ込み悪臭がただよっていたが、下水設備の整備や周辺住民の浄化運動が稔り水質は著しく改善され野鳥や遡上する魚の姿を見られるようになった。
JR苦竹駅からJR小鶴新田駅間は七北田川と合流する直前の「梅田川下流域」である。藤川との合流部にはかつて堰が設置されており夏場に傷病ハクチョウが滞在していたりした。現在合流部の堰は撤去されている。東日本大震災の津波では下流の七北田川から小舟が新田東大橋付近まで打ち上げられてきた。
◇両岸の堤防上は遊歩道が整備され、夏はオオヨシキリ・ツバメ・イワツバメ、冬にはツグミ・ジョウビタキ・ベニマシコ・ホオジロ・カシラダカ等の小鳥、年間を通してはカルガモやヒヨドリなどを観察することが出来る。
◇この梅田川、昭和23年9月のアイオン台風では洪水が発生した。苦竹地区も水であふれ大きな被害が起きたとのこと。また、先日の台風19号来襲時の大雨では下流の七北田川の水位とも連動して新田大橋の水位計レベルは上昇し、12日23:20に2.52mに達し(氾濫注意レベル2.5mを超えた)、警戒レベル4の避難勧告が発表された。氾濫注意レベルとは、低い土地では水路があふれなど浸水が始まるということだが、現実に小鶴新田駅付近では線路が水につかり周辺家屋では床上浸水が発生した。
この大雨の後の梅田川は河川敷の草がなぎ倒され両岸の堤防基部はいたるところでえぐられた状態になっていた。その後復旧工事が始められ川の中に重機が乗り入れ川底の浚渫と堤防のり面の復旧工事が行われている。堤防の茂みのある草原もきれいに刈り取られた。
◇というわけでとても鳥がゆっくり出来る環境ではなくなっている。中洲もなくなりイカルチドリもいない。またくりかえして今回程度の大雨は来そうに思えるし洪水防止対策はしなければならないが2-3年は待たないと元のようなレベルで鳥が来る環境にはならないと思える。バーダーにとっては残念だが、待ちましょう。
◇ちなみに今回の浸水エリアは床上浸水常襲地帯とのこと、排水ポンプが故障したことも原因の1つのようだが、こちらの根本的な排水対策もとらなければならないだろう。
雑文に最後までお付き合いいただきありがとうございました。
今週の鳥見報告はなしである。週末の鳥見の参考になればと毎週金曜日にアップしている1週間の鳥見報告はありません。
というわけで、いつもの手抜き「復刻」で雑文を掲載です。
【復刻】 空白の鳥合せ表 2019.08.22
◇ノンフィクション作家柳田邦夫の初期の作品として「空白の天気図」がある。
◇1945年8月6日、広島に原爆が投下され、20数万人以上の命が一瞬で奪われた。そして8月15日、日本は終戦を迎えた。しかし、1ヶ月後の9月17日、広島はさらなる災害に見舞われた。 枕崎台風の上陸である。枕崎台風による死者行方不明者数は全国の中で広島県が突出して多かった。
◇原爆被害の陰に隠れて、歴史から見えなくなっていた広島の枕崎台風の被害に焦点を当て、広島地方気象台の台員たちを主人公とし、原爆と台風、ふたつの災害を観察し続けた彼らの足跡を追いかけた傑作ドキュメンタリー作品が「空白の天気図」である。
◇広島県で枕崎台風の被害が大きかった原因として、8月6日の原爆で倒壊した直後で防災機関のインフラが機能していなかったためと言われている。多くの人々が、原爆・敗戦の混乱の中、台風が接近していることを全く知らずに災害に巻き込まれてしまったものと思われる。
◇表題の「空白の天気図」は、現地のデータが中央気象台に伝わらず天気図に空白生じたということのようだが、本文によると「欠測」と言って、観測が実施されない(出来ない)こともあり、これで「空白の天気図」になることもあるようだ。
◇作品の内容の迫力に圧倒されるとともに、記録の大切さや台員の一つ一つの現場での使命感に心を打たれた。気象データは欠測してならないとの観測精神。その愚直なまでの姿勢と努力が、後年、終戦前後の気象データの空白をカバーした貴重な貢献があったに違いない。
◇ひるがえって、鳥の観測データも「欠測」は望ましくない。定点観測であればほそぼそとでも継続することに大きな意味がある。
◇気象データの欠測は場合によっては住民の安全に直結する問題となる。しかし、鳥の観察記録は直接人の生命にかかわることは少ないと思う。まして、厳密な定点観測でもなければ「欠測」は許されると思う(そんな記録なら「欠測」ということ自体おこがましいかも)。
<追伸>
◇戦後、アメリカの駐留下で大きな台風が日本を襲った。これらの台風には米国の女性名がつけられた。上記「枕崎台風」は戦後であったがまだ連合国司令部から矢継ぎ早の指令が発せられるより前の時期で日本語名がつけられたものと思われる。
◇戦後東北地方に来襲し大きな被害が出た英名台風として、昭和22年のカスリーン台風、昭和23年のアイオン台風がある。東北地方では特にアイオン台風の被害は甚大であった。北上川の水位表示看板でアイオン台風時の水位をみたことがあるがとんでもなく高かった覚えがある。七北田川水系でも氾濫、堤防決壊、橋梁流出などがあった、支流である地元梅田川でも越流・浸水が発生したと聞いた。
脱線ついでに以下は梅田川についての雑文(復刻)
【復刻】 2019年11月15日(金)の日記 梅田川下流域、最近の状況
◇梅田川(うめだがわ)は、宮城県仙台市青葉区中部から宮城野区中部を流れる七北田川水系の二級河川である。仙台市青葉区の中山地区に源を発し、宮城野区鶴巻地区にて七北田川に合流する。総延長10.3km、流路はすべて仙台市内にある。昭和30年代までは下水が流れ込み悪臭がただよっていたが、下水設備の整備や周辺住民の浄化運動が稔り水質は著しく改善され野鳥や遡上する魚の姿を見られるようになった。
JR苦竹駅からJR小鶴新田駅間は七北田川と合流する直前の「梅田川下流域」である。藤川との合流部にはかつて堰が設置されており夏場に傷病ハクチョウが滞在していたりした。現在合流部の堰は撤去されている。東日本大震災の津波では下流の七北田川から小舟が新田東大橋付近まで打ち上げられてきた。
◇両岸の堤防上は遊歩道が整備され、夏はオオヨシキリ・ツバメ・イワツバメ、冬にはツグミ・ジョウビタキ・ベニマシコ・ホオジロ・カシラダカ等の小鳥、年間を通してはカルガモやヒヨドリなどを観察することが出来る。
◇この梅田川、昭和23年9月のアイオン台風では洪水が発生した。苦竹地区も水であふれ大きな被害が起きたとのこと。また、先日の台風19号来襲時の大雨では下流の七北田川の水位とも連動して新田大橋の水位計レベルは上昇し、12日23:20に2.52mに達し(氾濫注意レベル2.5mを超えた)、警戒レベル4の避難勧告が発表された。氾濫注意レベルとは、低い土地では水路があふれなど浸水が始まるということだが、現実に小鶴新田駅付近では線路が水につかり周辺家屋では床上浸水が発生した。
この大雨の後の梅田川は河川敷の草がなぎ倒され両岸の堤防基部はいたるところでえぐられた状態になっていた。その後復旧工事が始められ川の中に重機が乗り入れ川底の浚渫と堤防のり面の復旧工事が行われている。堤防の茂みのある草原もきれいに刈り取られた。
◇というわけでとても鳥がゆっくり出来る環境ではなくなっている。中洲もなくなりイカルチドリもいない。またくりかえして今回程度の大雨は来そうに思えるし洪水防止対策はしなければならないが2-3年は待たないと元のようなレベルで鳥が来る環境にはならないと思える。バーダーにとっては残念だが、待ちましょう。
◇ちなみに今回の浸水エリアは床上浸水常襲地帯とのこと、排水ポンプが故障したことも原因の1つのようだが、こちらの根本的な排水対策もとらなければならないだろう。
雑文に最後までお付き合いいただきありがとうございました。
1月1日(木) の日記 百人一首
12月31日(火) の日記 ウルトラクイズをまだやっていた
12月6日(金) の日記 復刻 昭和19年に起きた昭和東南海地震
11月22日(金)の日記 今日はいいフロの日
10月31日(木)の日記 AIによる自動音声
8月27日(火)の日記 再びユウガオの話 ラジオ深夜便から
12月31日(火) の日記 ウルトラクイズをまだやっていた
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8月27日(火)の日記 再びユウガオの話 ラジオ深夜便から