2019年10月20日

10月20日(日)の日記 映画「いそしぎ」に出てきた鳥は何

録画しておいた映画を見た。1965年のハリウッド・MGM映画「いそしぎ」。
鳥見を趣味としている今でこそ、「いそしぎ」➡「イソシギ」という鳥と当然のように思いいたるが以前はラブストーリーによくある4文字ひらがなの題名で、海辺にちなむロマンチックな甘くせつないありようを示した言葉ぐらいに思っていた(「ひきしお」とか「しおさい」とか)。これが鳥の名前と知ったのはだいぶ前にリバイバルの名画としてこの映画をみてからのように思う。一応内容を見れば鳥のことだとは気が付く。
この映画、主題曲がアカデミー賞をもらい大ヒットしたとのことだが確かに少しくたびれた、哀調を帯びたメロディーは聞いたことがあった。
主演はエリザベステーラーとリチャートバートン、当時は新婚だったとのこと。ストーリーも映画としての仕上がりも感動できるとは言いにくいレベルだが、気になったのがこの中にしょっちゅう出てくる小鳥(シギ)である。
映画のタイトルは「ザ・サンドパイパー」(The Sandpiper)である。英語でイソシギは「コモン・サンドパイパー」(Common Sandpiper)である。Commonは「普通」という意味でしばしば省略されることがあるようだ。一般に、Sandpiperは中小型の嘴の長い鳥に総称としてよく使われるようなのでタイトルからはイソシギともイソシギの類とも受け取れる。日本名のタイトル「いそしぎ」は鳥を連想させないこころよい響きがあり観客動員に結び付きそうで見事な命名だ。
さて問題は映画に出てくる鳥の種である。これがどうもイソシギには見えない。映画の中に出てくる鳥のシーンとして、まずカリフォルニアの海の景色をバックにしたタイトルが終わってすぐ海岸の波打ち際の砂浜をセカセカ動く数羽の小鳥が写し出される(これが①)、そしてそれを見ながら大きなカンバスに筆を動かす画家のエリザベステーラー、ここでアップされる制作途中の絵の中の鳥(➁)、翼を怪我し保護されて室内で飼われている(これが③④)、元気になって海岸の小岩に飛んできた(これが⑤)と、鳥は何回も印象的に登場する。
ドキュメント作品ではないし作品中の鳥がイソシギとはどこでも言っていないわけだが、表題が「いそしき」なのでしょっちゅう出てくる狂言回しの役目の鳥はイソシギと言っているように思える。(追記・訂正 会話の中で ゛maybe Sandpiper゛と言っているようだった)。しかしどうも①は大きさがはっきりつかめないので判断しにくいがヒメハマシギかミユビシギ、➁は完成品ではないせいかなんだかわからないがイソシギには見えない。その他はそれぞれ別個体のヒメハマシギかハマシギのように見えた。まあ芸術作品なので、目くじら立てて声を張り上げることではないでしょうが、(せいぜい1000人に一人くらいいるかいないかの)鳥見が好きな人間には気になった。
ちなみに映画ではなくテレビのドラマでも出てくる鳥の種類に配慮がないことがよくある。これも「騒ぐな」と言われそうだが気にはなる。

以下は2016年3月のブログ記事の復刻です。

大河ドラマ「真田丸」で猛禽の勉強
◇NHKテレビの大河ドラマ「真田丸」を毎週観ている。と言っても日曜8時は忙しいことが多くまた他の番組とかちあったりするのでBS6時に録画して好きな時間にみている。
◇脚本が三谷幸喜ということでいつもの大河に比べてぐっとくだけた調子で楽しく見られる。ローカルな歴史で知らないことも多くそれなりに勉強にもなる。
◇ところが、鳥好きとしては今週(3月6日)の画像に一言言いたい疑問点ありである。
◇ストーリー全体を通して1羽のオオタカが狂言回しのような役をしており、北条氏政の手から飛び立って徳川・真田・上杉・信濃川・真田とまわって北条に戻ってくる中で各陣営の状況をみてくるように読み取れる。ところが、地上にとまっている時の画像はオオタカだが大空を飛翔している画面はノスリやトビに変わっている。オオタカの声だけを画面にかぶせている。また、途中新府に行くルートの説明に図(マンガ)が出てきてその中で鳥が飛ぶがこの鳥がオオタカにみえずなんか変。
◇どうも地上のオオタカは飼いならされている個体の足を固定してアップで写しているようだ。飛翔の画像が得られなかったのか。「自然百景」か「ワイルドライフ」のチームに声をかければいくらでも手に入るのでは。鳥のマンガも専門家に依頼すればこんなことはないと思う。
◇ようするに、これだけ鳥を前面に押し出してくれたわりには画像が手抜きである。おそらく95%の視聴者に違和感がなければそれでよしという考えなのでしょう。鳥好き人にとってはそんなこといわずにきちんと作ってよといいたいですな。
◇ドラマの中で夜の場面にはさかんに鳥の声が聞こえる。それなりに鳥に関心のあるのはうれしい限りだがアオバズクやフクロウが当時はこんなにいたのは裏付けがとれているのかちと心配。



同じカテゴリー(ざれごと たわごと)の記事画像
4月15日(月)の日記 通行止めウマ 単管バリケード 本日の追加
2月13日(火)の日記 蜃気楼でした
10月22日(火)の日記  生産性のない話 女子アナの誤読例
3月14日(火)の日記 目に見える花粉
11月26日(土)の日記 メタセコイアの紅葉
11月8日(火)の日記 皆既月食&天王星食
同じカテゴリー(ざれごと たわごと)の記事
 4月15日(月)の日記 通行止めウマ 単管バリケード 本日の追加 (2024-04-15 11:39)
 4月2日(火)の日記 MLBの試合前ハクトウワシが投手の肩に (2024-04-02 16:56)
 3月31日(日)の日記  ドラマ「北の国から」と根室本線 (2024-03-31 20:56)
 2月13日(火)の日記 蜃気楼でした (2024-02-13 19:51)
 1月17日(水)の日記 アイオワ州の選挙と映画 (2024-01-17 19:08)
 1月11日(木)の日記 大河ドラマ 紫式部 百人一首 (2024-01-11 12:22)

Posted by OOAKAGERA at 16:36 │ざれごと たわごと鳥見日常生活

削除
10月20日(日)の日記 映画「いそしぎ」に出てきた鳥は何