2019年10月11日

10月11日(金)の日記 ノーベル賞 ロウソクの科学

台風襲来の前兆か本日は強い雨が降ったりやんだり、庭仕事は出来ないし、外に鳥見にも出にくいのでのんびり作文

◇秋も深まってきて毎年ノーベル賞の受賞者が発表される時期である。
◇一昨日は化学賞の発表があり、旭化成の吉野彰さんが日本人として27人目の受賞者となった。
◇大学の研究室からではなく民間の会社での研究が認められたわけでまことに喜ばしい。
◇その研究内容はリチウムイオン電池の開発で、現在の情報化社会を支えるほか地球温暖化の解決にもつながる成果として高く評価されたとのこと。
◇この吉野さん最初に化学に興味を持ったのは小学4年のころ、担任の先生が教えてくれた英国の科学者ファラデーの著書「ロウソクの科学」という本とのこと。ろうそくが燃える現象を科学的に説明する内容でウィキペディアによっておさらいすると以下の通りである。
◇「ロウソクの科学」はロウソクを題材にその歴史や構造、ロウソクが燃焼するという現象から化学反応の説明などにはじまり実にわかりやすい子供向けの講義をまとめたもの。現代でも新鮮である。具体的な内容は以下の通り。
1.ロウソク: 炎 - その源 - 構造 - 流動性 - 明るさ
2.炎の明るさ: 燃焼のための空気の必要性 - 水の生成
3.生成物: 燃焼からの水 - 水の性質 - 化合物 - 水素
4.ロウソクの中の水素: 燃えて水へ - 水の他の部分 - 酸素
5.空気の中の酸素: 大気の性質 - その特徴 - ロウソクからの他の生成物 - 炭酸 - その性質
6.炭素または炭 - 石炭ガス - 呼吸と燃えるロウソクの類似点 - 結論
◇私がこの本を読んだのは中学1年の時である。科学的なものの見方とはこういうものかと感心した覚えがある(もう少し小さい時に読むべきだったかも)。
(ここから話は脱線する)
◇中学1年生の時の国語の先生は熱い思いで授業をされていた方で、生徒の興味を引き付け力をつけさせるのが上手だった。その先生がどこかで手に入れて来た冊子を授業でみんなに1冊ずつ配った。それは「岩波文庫の100冊の本」というものだった。内容は岩波文庫の中から読んで欲しい(多分に中高校生をターゲツトにしていた)100冊の本を選定し解説しているものだった。小説から歴史的な文学作品、はては化学・哲学と幅広い。先生は,これから大人になるまでにこの冊子の100冊読破を目標にして少しずつ読んで行けと言われたように覚えている。先生は実に100冊ほとんどを読んでいた。
◇私はそのころはよく読書をしていた。この100冊の本読破には興味を持ち、つとめてこの中から選んだ本を優先して読むようになった。
◇「100冊の本」を選定したのは、日本でも読書についての高い識見と豊かな経験をもった方々で、若い人々のために読書の指標を立てることを目的として、この100冊を選択したとのこと。平凡な一市民である私でも知っている人が多い。ただし岩波好みの人に偏っているかも。
<選者> 臼井吉見、大内兵衛、大塚久雄、貝塚茂樹、茅 誠司、久野 収、桑原武夫、武谷三男、鶴見俊輔 中野重治、中野好夫、松方三郎、丸山眞男、山下 肇、渡辺一夫
◇そのころの岩波文庫は背中に☆印が表示されていて、☆一つが50円で頁が多くなると☆の数が多くなり値段があがった。私は読む本は基本的に学校の図書館で借りて読んだが在庫していないものもあり、☆の数と小遣いをにらみながら街の本屋で購入したりもした。
◇岩波文庫は帯の色で分類されている。以下の通りである。
• 青…思想・哲学・宗教・歴史・地理・音楽・美術・教育・自然科学
• 黄…日本文学(古典)
• 緑…日本文学(近代・現代)
• 白…法律・政治・経済・社会
• 赤…外国文学
◇100冊の本を読破しようとしてもやはり興味がある分野が優先する。地理・歴史以外の青、それに白帯の本はほとんど読まなかった。
◇だが「ロウソクの科学」は読んでいるのである。同じ本を読んでノーベル賞を受賞する人もいれば「普通の人」もいる。いかに読んで次に行動するかが分かれ道。ただ読むだけでは読んだことにならない・・か。
◇今あらためて見返してみると100冊の本のうち私が読破したのはせいぜい60冊、あえなくダウンして今に至る。しかし文学作品やノンフィクション以外はここにリストアップされていなければ読まなかったように思う。「100冊の本」にはお世話になりました。
◇長くなるが当時「100冊の本」として選定されていたのは以下である。参考まで(ネットから)。〇印は私でも少し感銘を受けた作品。その後別の100冊もいろいろ選定されているらしい。

ヴェニスの商人 / シェイクスピア作
〇我輩は猫である / 夏目漱石作
啄木歌集 / 石川啄木作
〇モンテ・クリスト伯 / デュマ作
〇ハックルベリイ・フィンの冒険 / マーク・トウェーン作
水滸伝 / 吉川幸次郎訳
銀河鉄道の夜 / 宮沢賢治作
〇アルプス登攀記 / ウィンパー著
デミアン / ヘルマン・ヘッセ作
〇ビーグル号航海記 / ダーウィン著
〇福翁自伝 / 福沢諭吉著
〇レ・ミゼラブル / ユーゴー作
赤と黒 / スタンダール作
高村光太郎詩集 / 高村光太郎自選
〇荒野の呼び声 / ジャック・ロンドン作
世界をゆるがした十日間 / ジョン・リード著
〇友情 / 武者小路実篤作
唐詩選 / 前野直彬注解
ファウスト / ゲーテ作
余は如何にして基督信徒となりし乎 / 内村鑑三著
ハムレット / シェイクスピア作
〇フランクリン自伝 / 松本慎一・西川正身訳
共産党宣言 / マルクス・エンゲルス著
ソクラテスの弁明・クリトン / プラトン著
〇罪と罰 / ドストエーフスキイ作
富岳百景・走れメロス / 太宰治作
藤村詩抄 / 島崎藤村自薦
アンデルセン自伝 / 大畑末吉訳
〇ジャン・クリストフ / ロマン・ローラン作
トニオ・クレエゲル / トオマス・マン作
空想より科学へ / エンゲルス著
貧乏物語 / 河上肇著
〇古代への情熱 / シュリーマン著
クォヴァディス / シェンキェヴィチ作
〇武器よさらば / ヘミングウェイ作
真空地帯 / 野間宏作
若きヱルテルの悩み / ゲーテ作
〇羅生門・鼻・芋粥・偸盗 / 芥川竜之介作
萩原朔太郎詩集 / 三好達治選
カラマーゾフの兄弟 / ドストエーフスキイ作
ベートーヴェンの生涯 / ロマン・ロラン著
〇田園交響楽 / アンドレ・ジイド作
白秋詩抄 / 北原白秋作
〇ロウソクの科学 / ファラデ―著
〇寺田寅彦随筆集 / 小宮豊隆編
ベルツの日記 / トク・ベルツ編
茶の本 / 岡倉覚三著
〇外套・鼻 / ゴ―ゴリ作
旧約聖書 創世記 / 関根正雄訳
饗宴 / プラトン著
〇新訓 万葉集 / 佐佐木信綱編
昆虫記 / ファ―ブル著
ユ―トピア / トマス・モア著
斎藤茂吉歌集 / 山口茂吉・柴生田稔・佐藤佐太郎編
どん底 / ゴ―リキイ作
賃労働と資本 / マルクス著
論語 / 金谷治訳注
〇平家物語 / 山田孝雄校訂
〇戦争と平和 / トルストイ作
〇水と原生林のはざまで / シュバイツェル著
帝国主義 / レ―ニン著
折りたく柴の記 / 新井白石著
桜の園 / チェ―ホフ作
〇暗夜行路 / 志賀直哉作
父と子 / ツルゲ―ネフ著
リンカ―ン演説集 / 高木八尺・斉藤 光訳
〇徒然草 / 西尾実校訂
〇こゝろ / 夏目漱石作
〇破戒 / 島崎藤村作
告白 / ルソ―著
蘭学事始 / 杉田玄白著
阿Q正伝・狂人日記 / 魯迅作
〇にごりえ・たけくらべ / 樋口一葉作
永遠平和の為に / カント著
実践論・矛盾論 / 毛沢東著
人形の家 / イプセン作
或る女 / 有島武郎作
善の研究 / 西田幾多郎著
歎異抄 / 金子大栄校訂
タルチュフ / モリエ―ル作
〇おくのほそ道 / 杉浦正一郎校訂
静かなドン / ショ―ロホフ作
〇蟹工船・1928・3・15 / 小林多喜二作
社会契約論 / ルソ―著
方法序説 / デカルト著
〇阿部一族 / 森鴎外作
〇方丈記 / 山田孝雄校訂
ボヴァリ―夫人 / フロ―ベル作
〇嵐が丘 / エミリ・ブロンテ作
〇土 / 長塚節作
ミル自伝 / 朱牟田夏雄訳
息子たちと恋人たち / ロレンス作
この人を見よ / ニ―チェ著
女の一生 / モ―パッサン作
好色五人女 / 井原西鶴作
職業としての学問 / マックス・ヴェ―バ―著
人権宣言集 / 高木八尺・末延三次・宮沢俊義編
〇谷間のゆり / バルザック作
イ―リアス / ホメ―ロス作
〇文明論之概略 / 福沢諭吉著


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