2019年08月23日

8月23日(金)の鳥見 今週は「空白の鳥合わせ表」となりました

◇ノンフィクション作家柳田邦夫の初期の作品として「空白の天気図」がある。
◇1945年8月6日、広島に原爆が投下され、20数万人以上の命が一瞬で奪われた。そして8月15日、日本は終戦を迎えた。しかし、1ヶ月後の9月17日、広島はさらなる災害に見舞われた。 枕崎台風の上陸である。枕崎台風による死者行方不明者数は全国の中で広島県が突出して多かった。
◇原爆被害の陰に隠れて、歴史から見えなくなっていた広島の枕崎台風の被害に焦点を当て、広島地方気象台の台員たちを主人公とし、原爆と台風、ふたつの災害を観察し続けた彼らの足跡を追いかけた傑作ドキュメンタリー作品が「空白の天気図」である。
◇広島県で枕崎台風の被害が大きかった原因として、8月6日の原爆で倒壊した直後で防災機関のインフラが機能していなかったためと言われている。多くの人々が、原爆・敗戦の混乱の中、台風が接近していることを全く知らずに災害に巻き込まれてしまったものと思われる。
◇表題の「空白の天気図」は、現地のデータが中央気象台に伝わらず天気図に空白生じたということのようだが、本文によると「欠測」と言って、観測が実施されない(出来ない)こともあり、これで「空白の天気図」になることもあるようだ。
◇作品の内容の迫力に圧倒されるとともに、記録の大切さや台員の一つ一つの現場での使命感に心を打たれた。気象データは欠測してならないとの観測精神。その愚直なまでの姿勢と努力が、後年、終戦前後の気象データの空白をカバーした貴重な貢献があったに違いない。
◇ひるがえって、鳥の観測データも「欠測」は望ましくない。定点観測であればほそぼそとでも継続することに大きな意味がある。
◇気象データの欠測は場合によっては住民の安全に直結する問題となる。しかし、鳥の観察記録は直接人の生命にかかわることは少ないと思う。まして、厳密な定点観測でもなければ「欠測」は許されると思う(そんな記録なら「欠測」ということ自体おこがましいかも)。

・・・・長々と雑文を書いてきたがなにを言いたいかというと、今週は我が家の引っ越しがありとても鳥見に行ける状況でなく残念ながら今週は鳥の観察記録は「欠測」となります。・・・ということです。毎週見ていただいている方にはお詫び申し上げます。・・・雑文を書く時間はありました。

◇今週末のおすすめの鳥見としては、渡りのシギ・チドリが来る時期です、特に海から少し離れた場所の田んぼの中に休耕田(最近は少なくなっていますが)や、今の時期に水を張っている田んぼ見つけて淡水系のシギチを探すのが楽しいと思います。

以下の写真は本文とは関係ありません

  

  


Posted by OOAKAGERA at 18:54