2020年03月11日

3月11日(水)の日記 東日本大震災きょう9年目

 東日本大震災は本日発生から9年目を迎える。巨大地震、津波、東電福島#1原発事故による犠牲者行方不明者は2万2千人を超える。ことしは新型コロナウィルスによる感染拡大の影響で追悼式典などはのきなみ中止となっている。

 あらためてあの日の自分の行動を振り返ってみたい。

 
 2011年3月11日の日記 本震発生前後     2011.03.19の記事を復刻 
本震発生前後の様子を思いおこして記す。

◇東松島市の海水浴場として知られる野蒜(のびる)に明治時代に国をあげて取り掛かった一大土木プロジェクトがあった。殖産興業を推し進める明治新政府は東北開発の物流拠点をここ野蒜に定め建設にとりかかった。鳴瀬川河口に内港を建設し北は石巻から南は阿武隈川までを運河で結び、外港として宮戸島から防波堤を築いて外港とする壮大な計画であった。明治15年には内港が完成し、供用が開始された。しかし明治17年9月に台風により港は壊滅的打撃をうけた。そして外港建設には未着手のまま建設は中止となった。現在運河の跡や市街地跡に当時の面影が残っている、というものである。
◇しかし、観光地としてはB級であり知っている人は地元でも少ない。
◇わたしもその存在を知ったのは、内田康夫の推理小説(浅見光彦シリーズ)「不等辺三角形」を読んでである。1年ほど前に単行本が出ているわりと新しい作品である。この中に亘理町の斉理屋敷とともに東松島市の野蒜築港跡が出てくる。ここで初めて野蒜築港の話を知ったわけである。
◇3月11日、野蒜に出かけた。昼食の時刻となり、適当な食堂はないか探し駐車が多い「はやっている」店を見つけて食事をした。牡蠣はシーズンが昨日で終わり、ということで焼き魚定食を食べた。おいしかった。その後店の人に「野蒜築港跡」への道を尋ねたら店主とおぼしき年配のおじさんがわざわざ店の外まで出てくれて親切に教えてくれた。
◇まず、鳴瀬川右岸河口近くのちょっとした高台にある「野蒜築港資料室」に立ち寄る。
◇学芸員と思われる女性の方が1名で番をしていた。明治時代の築港建設についてはさすがに詳しい方で建設のいきさつをいろいろ教えてくれた。内田康夫氏も取材で訪れたとのこと。小説のモデルとなったアナゴ釣りの名人でもある仙台箪笥の職人さんも実在するらしい。
◇これから面影の残る現場へ行きたいといったら川を渡った左岸に行く必要があるという。あまり時間はかからなそうなので立ち寄ってみることにする。資料室で案内図をもらってこれをたよりにいざ左岸へ(以下の添付にこの案内図のコピーを使用させていただきました)
◇仙石線陸前小野駅のわきからせまい道を河口に向かうと遺跡(?)が現れた。先端の記念碑の前から河口まわりの鳥見もした。ここを出たのが14:25頃。
◇少し川をみながら上流に進む。ほどなく雪が降ってきた。それも結構強い降り。今日はこれで引き上げることにした。帰り道は、Aいつもの海沿いの松島経由、B三陸自動車道に乗る、C山沿いの利府街道と3コースあるが左岸から行きやすいのでCコースで行くことにした。
◇国道45号に出て鳴瀬大橋を渡り右折、少し山手に入る。松島町に入る頃、ラジオがいきなり「緊急地震速報」、切羽詰まった声、よく聞くとここに地震が来る・・・車を減速したらゆらゆらときた。すぐに停車し身構える。揺れがどんどん激しくなる。強烈な左右斜め方向のゆれ。車が飛ばされそう。ガソリンスタンドの前だったが構造物が車の上に倒れてきそうでこわかった。
◇気を取り直して落ち着こうとしていると低くなったが継続している波が急に強くなったりする。そのうち「大津波警報」が出た。この場所なら津波は来ないと判断。道の通行はスムーズだったのでどんどん進む・
◇愛宕の交差点から右折し利府街道に入る。利府まではスムーズだったが仙台に近くなり利府から岩切までは渋滞で動かない状態。いらいらしながら少しずつ進み岩切からはまたスムーズに通れるようになり18時頃にやっと帰宅した。
◇振り返ってみると、たまたま山の手コースで帰路についていたのでなんとかなったように思う。海沿いのコースでも高速道でも津波の危険があった。運がよかったとしか言いようがない。
◇野蒜も津波の被害は甚大で鳴瀬川の河口は瓦礫と泥の海である。大波は野蒜や小野の集落を飲み込んで仙石線の電車を巻き込み、国道45号の先まで達している。このあたりは、亡くなった人も多いと聞く。さっきまで話をしていた食堂のおじさん、資料室の女の方、左岸の先の漁港で網をつくろっていた漁師さん達、仙台箪笥の職人さん、みんなみんなご無事であって欲しい
。※

以下の写真は本文とは関係ありません
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Posted by OOAKAGERA at 09:35 │日常生活

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