2020年03月08日

3月8日(日)の日記 本の感想「下級武士の田舎暮らし日記」

歴史好きな方のみ読んでください

雨で足止めの1日、知り合いに勧められて買っていた本を読んだ。本の名は「下級武士の田舎暮らし日記」。江戸時代、徳川吉宗の享保の改革の頃の伊達藩石巻近郊(旧河南町)の農業地域に住んだ下級武士の、こと細かな日記をわかりやすく現代文にまとめた本である。興味深く読んだ。本の紹介はネットからパクって最下欄(黒字)の通り。

ピーマン頭で基礎知識不足の私なりの感想は以下の通り
■学生時代、河南町広渕出身の知り合いがいてその地名を知っていたが隣の「須江」という土地は初めて聞いた
■あまり土地勘がない場所は、どうしても仙台からの鉄道や道路で通る土地名のつながりが頭に入ってしまう。仙台から放射状に進むルートの土地同士の「横の近さ」がなかなかつかめない。伊達吉村公の鷹狩りルート<松山→-涌谷→佐沼→登米→和渕→前谷地>などというのは頭の中でどうもつながらない町がある。昔は鉄道がなかったので鉄道ルートは忘れたほうがよいかも
■農村にこんなに武士が住んで、しかもどうやら仲良く農民と暮らしていて場合によっては武士を含む農村の代表が肝入(百姓)というのにはびっくり。伊達藩には藩設立当初から武士の出でありながら農業を営む集団があったようだが、農村に住む武士と農民の関わり合いが垣間見える。また、洪水対策、猪対策では現場の声を正しくお上に提言することを実行しているのは驚きである。封建社会は下から意見を言うルートはないものと理解していたがそうでもないようだ。ただしお上はほとんど聞く耳を持たない(持てない)のは予想通り。
■鷹狩り担当の下級武士が藩主から気軽に声をかけてもらえるとはなんと素晴らしいことか。臨場感あふれるやりとりが感動的
■伊達五代藩主吉村公は、破綻状態にあった藩財政を立て直したことにより仙台藩「中興の英主」と呼ばれる名君とのこと。鷹狩りが好きだったようでよく出かけている。狩りは権力の示威行動でもあったが、在地の下級武士や農民の声を直接聞き取り政治に反映するという大きな目的があったのではないか。このお殿様ならではの行動の意味があったように思われる。
■古文書をていねいに読み解き、現代語訳をつけ本にまとめている。くずした毛筆文字を解読し、文意をつかんでわかりやすい言葉で表現するというのは大変な作業であったと思う。著者に敬意を表する。


以下の写真は本からのコピーです
  3月8日(日)の日記 本の感想「下級武士の田舎暮らし日記」 3月8日(日)の日記 本の感想「下級武士の田舎暮らし日記」

河北新報・石巻かほく「メディア猫の目」から
「下級武士の日記」支倉さん夫妻解読、歴史書出版 ゆかりの須江村に光
 江戸時代中期の須江村(現・石巻市須江)の暮らしを下級武士の日記から読み解いた本が関心を集めている。東京の築地書館から出版された単行本「下級武士の田舎暮らし日記 奉公・金策・獣害対策」で、著者は支倉清さん(70)、紀代美さん(70)夫妻=東京=。清さんは石巻市前谷地出身、紀代美さんは東松島市出身。日記から武士と農民の関係を探ったユニークな歴史書だ。

 本書は今から約300年前、須江の農村で御鳥見役(鷹(たか)狩りの世話役)として暮らした仙台藩士矢嶋喜太夫が書き残した日記「二樅亭見聞録」を現代語訳にした読み物。日記は1716(享保元)年から57(宝暦7)年まで40年余にわたってつづられており、本書はその一部を書き下ろした。
 日記から浮かび上がるのは一つの村の中での武士と農民の関係。田畑を荒らすイノシシ対策として鉄砲解禁に農民たちが中心的な役割を果たしたことが読み取れる。

 喜太夫が筆まめだったらしかったことも、日記を貴重な史料に高めている。仙台藩5代藩主伊達吉村の狩り、度重なる北上川の洪水への武士たちの対応、石巻鋳銭場での寛永通宝づくり、琉球人を乗せた薩摩船の寄磯浜漂着、仙台藩の享保の改革(倹約令)など、日記は当時の藩内の出来事を細かく伝えている。

 さらに諸物価値下げといった幕府の法令、江戸の大火やうわさ話まで記しており、江戸の情報がどのように仙台藩に入ってきたかも分かり興味深い。

 日記に登場する人物や時代背景などを解説したコラムも掲載。喜太夫が生きた時代への理解を深める一助になっている。

 清さんは東京の公立小学校の元校長、紀代美さんは神奈川の公立小学校の元教諭。これまでも共著で「代官の判決をひっくり返した百姓たち」を出版している。

 2人は「喜太夫は数え年71歳で亡くなるまで生涯、須江村に暮らした。見聞録は18世紀の記録。この年代の資料がほとんどなかったので夢中になって解読した。故郷の歴史を、農民や所領を与えられた給人家中の視点から描いていきたい」と話す。


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Posted by OOAKAGERA at 17:17 │日常生活

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