2019年03月28日

3月28日(木)の日記 NHKテレビニッポンの里山 棚田特集

◇毎朝、朝食の後のゆったりした時間に、NHKテレビBSプレミアムの「ニッポンの里山」を楽しみに観ている。ところが残念ながらこの春の番組変更でこの時間には放送しなくなってしまうらしい。
◇「ニッポンの里山」は毎朝7:00から10分間、日本各地の里山(場合によっては川や海のこともあった)を訪ねその風景に秘められた人と自然の共生の物語を描いている。
◇毎日の連続放送終了に合わせて特集をやっている。昨日(27日)は「棚田」をまとめて編集したものが放送されていた。タイトルは「特集ニッポンの里山・ふるさとの絶景に出会う旅<人といのちの絶景物語棚田>」と長い
【長野県北アルプスのふもと白馬村の棚田】。田植えが終わった田んぼに映る残雪の山々、棚田に現れた息をのむ風景。春風がやんだほんの一瞬この時期だけにみられる絶景である。ここの棚田は先人たちが苦労して斜面に切り開いてきたものである。江戸時代に作られた農業用の水路が今でも大切に守られている。山の岩を削り、約3kmの長さ。人々は田植えの前には水路を清掃し補修している。5月半ば、田植えの時期になり田んぼに水が張られるとまわりは生き物の活気に満ち始めて、山の中に里の草花が咲き始め虫たちがやって来る。米作りのため人が上流から引き入れた水は命のにぎわいを生み出し風景に輝きを与えている。
【新潟県長岡市の棚田】山間の美しい棚田である。このあたりの地質は砂地でもろくて崩れやすい。古くから地すべりが繰り返されてきた。その災害を人々は利用、一度崩れた斜面はゆるやかになり安定する。そこに田んぼを切り開いてきた。山に刻まれた棚田の景色が美しい。厳しい環境と上手に暮らす知恵のたまものである。
【佐賀県唐津市の棚田】標高差300mに700枚の田んぼ。こちらも山が崩れたあとに棚田が作られた。高さ8.5mにもなる棚田の石垣、ここによじ登って草取りが行われる。根を残し葉っぱだけを摘み取って石垣が崩れないように配慮している。
【福岡県八女市の棚田】H24年、一帯を記録的な豪雨が襲った。大量の水が斜面を山から里へ押し寄せ地面を洗い流した。しかし、棚田は水が表面を伝うように流れ、崩れなかった。それどころか土砂をせき止め、ふもとの民家を守った。人々の知恵がつまった棚田、防災の面からも注目されている。
【山口県長門市の棚田】 日本全国その土地の風土に合った表情を見せる棚田、その中でもとっておきの絶景。日が暮れた日本海を背景に、はるか沖合のイカ釣り舟の漁火。田植えが終わる頃ちょうどイカの群れがやって来る。水と光が織りなす幻想的な風景である。
◇自然と向き合う知恵と命の輝きに満ちた棚田、未来へつないでゆきたい美しい里山りの風景である。
◇「ニッポンの里山」は4月以降、日曜の夕方継続するそうです。

◇番組にはとりあげられていなかったが、日本を代表する棚田の絶景としては、長野県の「姨捨の棚田」が古く古今和歌集の時代から知られている。JR篠ノ井線姥捨駅から見れる景色で、旧国鉄の日本三大車窓に選ばれ全国で初めての国の名勝に指定されている。千曲市から長野市へと広がる善光寺平を背景に手前の急斜面に棚田の景観が広がっている。その昔「田毎の月」というおいしい駅弁があったが、今は国道のSAに販売箇所が移っているようだ。・・・また脱線した。このあたりでおわり。


◇NHK-BSプレミアム ニッポンの里山の画面から
   

<追記> 古今和歌集に姨捨は「月の名所」として出てくる。ここに棚田が整備されるのはもっと新しく江戸時代になってからのようだ。失礼しました。  


Posted by OOAKAGERA at 19:00